イ・サン即位 あの冠は?
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イ・サン第45話。ついにイ・サンが即位しました。
イ・サンが代理聴政を初めて82日後の1776年陰暦3月5日、英祖が慶煕宮集慶堂(キョンヒグン チプキョンダン:경희궁집경당)にて83才で崩御。
その5日後の3月10日、25歳の祘(サン)は慶煕宮の崇政門(スンジョンムン:숭정문)にて第22代朝鮮王に即位しました。 即位の折「思悼世子の息子(サドセジャエ アドゥル:사도세자의 아들)」と言い放ち、老論を震え上がらせたことは有名です。
さて、朝鮮王の即位式といえば玉すだれがジャラジャラと付いたこの冠が登場しますが、コレがどんなものかご存知でしょうか?
冕旒冠(ミョンニュグァン/ミョンリュグァン:면류관)といい、礼服の冕服(ミョンボク:면복)と対で使用します。読み方は(個人的に)どちらかわかりません。中国由来のものはラ行をそのまま発音することがあるので、両方記載しました。別名を冕冠(ミョングァン:면관)ともいい、日本ではこの字を「べんかん」と読みます。
中原の王朝に册封されている朝鮮半島の王朝は中国の礼楽を踏襲しますので、この冕旒冠(ミョンニュグァン)も必然的に導入されました。イ・サン即位時の上国は清ですが、満州族の清ではかつての中国王朝が使用していたこれらのものを使用していませんが、朝鮮ではそのまま使用されました。
玉すだれのことを旒(ニュ/リュ:류)といいます。中国の皇帝や日本の天皇は12本、朝鮮王は他の冊封されている王と同様9本の旒です。五方色(オバンセク:오방색)と呼ばれる青・紅・黄・黒・白の5色の玉を使います。冕服(ミョンボク)も中国のものは12章(12のモチーフ)が刺繍されていますが、朝鮮のものは9章です。
即位式で一つ気になったのが山呼(サノ/サンホ:산호)です。手元に字幕版の映像しか無いので今回の放送でどうだったのかは確認していないのですが、千歳(チョンセ:천세) を連呼している場面の字幕が万歳(バンザイ)になっていました。
万歳は現代韓国でもよく使われる萬歲(マンセ:만세)で、冊封関係が明確なときには使えない言葉です。衣服や他の典礼については上国より下げたものを使用しなければならないためです。
字幕や吹き替えは分かりやすさが優先されがちですが、歴史の把握という意味ではあえて千歳と記載して欲しかったですね。
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